債権譲渡登記・動産譲渡登記
ABL(Asset Based Lending)とは、企業の事業活動によって形成される商品在庫や売掛金、機械設備等を担保として融資を行うことです。この融資に伴って設定した担保権を第三者に対向するために、債権譲渡登記・動産譲渡登記という制度があります。
1.債権譲渡登記制度
債権譲渡登記制度は、法人が有する金銭債権の譲渡等について、簡易に第三者に対する対抗要件を備えるための制度です。
金銭債権の譲渡等をしたことを第三者に対抗するためには、確定日付がある証書によって債務者に対する通知を行うか、債務者の承諾を得るのが原則です。
しかし,法人に限っては、債権譲渡登記をすることにより、第三者にその旨を対抗することができるのです。
この制度は,「売掛金」を担保に事業資金を融資する場合などによく活用されます。
2.動産譲渡登記制度
機械設備や商品のような流動的動産を担保として提供する場合は、譲渡担保という形を取るのが一般的です。担保として,動産の所有権を金融機関等の債権者に移転するという方法です。
もっとも、所有権を移転するといっても、金融機関がその動産を持って行ってしまっては,企業は事業活動ができません。あくまで担保として提供するわけですから、機械設備や商品は融資を受けた企業の手元に残り,信用不安等が生じ担保を実行するという事態になるまでは、その動産の利用が認められます。
動産譲渡登記制度は、法人が行う動産の譲渡に限定されますが、その目的となる動産には特に制限はありません。動物も動産ですので、牛や豚、養殖魚なども対象となります。
実際に、商工組合中央金庫が動産譲渡登記を利用して、農作物や海産物を担保とする新たな融資を実施しています。
動産の特定の仕方としては「○○倉庫にある○○等の一切の在庫商品」といった具合に対象を定め、現在あるものだけではなく、将来の仕入による在庫商品まで担保の対象とする方法があります。このような内容物が一定しない流動的な動産を「集合動産」と呼んでおり、「集合動産譲渡担保」は、有効な動産担保の形式といえます。
3.登記簿の種類
債権譲渡登記・動産譲渡登記の内容を確認するための証明書には、以下の3種類があります。
- 「登記事項証明書」 (個々の債権に関する登記事項の全部を記載したもの)
- 「登記事項概要証明書」 (個々の債権を特定する事項を除いた事項を記載)
- 「概要記録事項証明書」 (譲渡人として登記されている法人ごとに登記の概要を記載)
登記事項証明書と登記事項概要証明書は、東京都中野法務局で発行されます。
概要記録事項証明書は譲渡人の法人登記を管轄する登記所で発行されます。
登記簿は原則として、だれでも取得できる書類ですが、登記事項証明書は、譲渡にかかる債権の譲渡人または譲受人その他利害関係人のみ請求できます。
4.登録免許税
登記にかかる登録免許税の額は以下のとおりです。
債権譲渡・動産譲渡登記 1件につき,7,500円
延長登記 1件につき,3,000円
抹消登記 1件につき,1,000円
5.弊社でご支援させて頂く内容
*動産又は債権に関する譲渡担保契約内容のリーガルチェック及びアドバイス
*動産又は債権に関する譲渡担保契約書の作成
*動産の譲渡登記・存続期間の延長登記・抹消登記
*債権の譲渡登記・存続期間の延長登記・抹消登記
*登記事項証明書、登記事項概要証明書又は概要記録事項証明書の取得・調査など
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